子供:師範! 丸太を縛るって、何かを作るんですか? 師範:そうだよね。釘を使わずにロープで縛ることが多いから結び方がいろいろあるんだよ。 子供:しっかり縛ることはできるの? 師範:しっかり縛って頑丈にしないと、使っている途中で壊れたら困るよね。 子供:すごいことだね。 師範:今日は、「まき結び」と「角しばり」を教えるよ。 まず、「まき結び」からだね。これはロープをしっかり結ぶためのものだよ。縛ったらまったく動か ないほどしっかり縛ることができるんだよ。 子供:そんなことできるの? 師範:これも、引っ張ると自分をしっかり押さえるために動かなくなるんだ。この「まき結び」を外ずのは、 とてもたいへんなんだ。それぐらいしっかり結ばれている。結び方の説明は難しい。直接丸太に結ぶ のは、丸太に巻きつける時に2回目のロープを重ねます。そして、3重目に2回目のロープの下に入 れて出せば完成です。やってみるよ。・・・どう? わかった? 子供:分からない。 師範:自分でやってみてよ。教えるから。 子供:じゃあ、やってみる。2回目までは分かる。3回目を上じゃなくて下に入れるのは? 師範:ここだよ。この下に入れて見て。 子供:入れた。ん、これで完成? 師範:完成だよ。大丈夫、できている。 子供:これでいいの? 師範:しっかり引っ張ってみて。 子供:両方から引っ張るよ。 師範:外してみたら? 子供:あ、なかなか取れないよ。 師範:それだけしっかり結ばれたということだよ。 子供:うーん、すごいわ。 師範:それで、「角しばり」に話を進める。 子供:「角しばり」が大切な理由は何? 師範:ボーイ隊のキャンプで料理のために火を使うんだよ。 子供:料理をするからだね。 師範:そう、そのときにかまどが必要になる。かまどは、河原にある石を積み重ねて作る場合があるんだけ ど、長いキャンプのときには、テントサイトに近いところにかまどがあると便利だよね。そこで、 「たちかまど」を丸太を組み合わせて作ることが多い。このときに、ロープで丸太を縛って作るんだ。 子供:「たちかまど」っていうのか。 師範:丸太と丸太を結ぶところがたくさんあるよね。直角に結ぶ場合に「角しばり」を使うんだ。「まき結 び」は最初にロープの片方を固定するために使う。それから丸太を繋ぐのが「角しばり」になる。 子供:あれだけしっかりしていたら大丈夫だね。 師範:そうだよ。「角しばり」もぐらぐら緩まないようにしっかり結ぶんだよ。実際は力が強い方がしっか り結べる。 結び方は、まず見ておいてね。「まき結び」をした後で、もう片方の丸太に回して、次は反対側の丸 太を回して、こういう順番で回していく。2順目に入ったら、きれいに前のロープの横に揃えて何重 も回します。しっかり引っ張りながら回さないとぐらぐらになるからね。それから、割を入れる。割 と言うのは、さらに丸太と丸太がしっかり結ばれるように縛ったロープの上から押さえることだ。そ して、この端のロープを「まき結び」で丸太にしばる。 子供:これも、自分でやってみるから、やりながら教えてね。 師範:うまくできたけど、しっかり巻けているかな。 子供:ちょっと緩いなあ。 師範:しかたがないよ。いくら強く引っ張ってもまだ力が弱いからね。できるだけ、力を出してやろうね。 子供:わかった。 師範:これは、練習をしっかりやってきてください。 子供:頑張ります。 ・・・・・・・・・・・ 師範:今日は、1級物語「まき結びと角しばり」の認定証をお渡しします。おめでとう。 子供:ありがとうございました。 |